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真言宗のお焼香|回数や作法も含めてご紹介します

葬儀や法要に参列する際、「お焼香の作法がわからない」と戸惑うことはありませんか?

特に宗派ごとにお焼香の回数や意味が異なるため、参列の際に焦ってしまう方も少なくないでしょう。実際、当院の葬儀、法要にご参列される方でもお焼香の際に戸惑ってしまう方、間違えてしまう方は決して少なくはありません

最も大切なのは故人を思い遣る気持ちですので、決して間違えることが悪いということはございません。しかしながら、お焼香は儀式であり、正しく行うことでよりご自身の気持ちが整うもの

この記事では、真言宗におけるお焼香の回数やその意味、正しい作法について解説していきます。葬儀の場で落ち着いて振る舞えるよう、ぜひ参考にしてください。

そもそもお焼香とは?その意味と目的を知りましょう

焼香台の写真
お焼香とは、香を焚くことで故人や仏様に対する供養の気持ちを示す、仏教における大切な儀式です。

同時に、香には「自らの心や場を清める」という意味が込められています。お焼香を行うことで、心身を整え、故人への敬意や祈りを捧げるのです。

お焼香が行われる場面

お焼香は、主に以下の場面で行われます。

  • 葬儀・通夜
  • 法要(四十九日、一周忌、三回忌など)
  • 仏壇への日常的な供養

お焼香は故人との別れや先祖供養の大切な行為であり、心を込めて行うことが重要です。

真言宗のお焼香の回数とその理由

真言宗においては、お焼香の回数は基本的に「3回」とされています。これは真言宗の教えに基づいた伝統であり、意味が込められています。

なぜ3回なのか?

お焼香を3回行う理由には、以下のような深い意味があります。

1.三宝(さんぼう)を敬う意味
仏教における「三宝」とは、仏(ぶつ)・法(ほう)・僧(そう)のことです。

  • 仏:仏様や悟りを得た存在
  • 法:仏教の教え
  • 僧:教えを広める人々

お焼香の3回は、これら三宝に対する敬意と感謝を表しています。

2.三毒を清める意味
真言宗では、人間の煩悩を「三毒」と呼びます。

  • 貪(とん):むさぼりの心
  • 瞋(じん):怒りの心
  • 痴(ち):真理を知らない愚かな心

お焼香を3回行うことで、これらの煩悩を清めるという意味も含まれています。

3.心を整え、供養の気持ちを深める

回数を重ねることで自分の心を落ち着かせ、故人への供養の気持ちをより深く込めることができます。

このように真言宗における「3回」のお焼香には、仏教の教えと共に深い精神性が込められているのです。

「三宝帰依」との関連性

その他にも意味がございます。真言宗では、「三宝帰依(さんぼうきえ)」という教えが大切にされています。これは仏・法・僧に心から帰依(きえ:信頼して従うこと)する姿勢を表すものです。

お焼香の3回には、この三宝帰依の精神が自然に込められているのです。

仏教では、供養とは「心の清らかさ」があって初めて成り立つものとされています。お焼香によって心を浄化することは、故人や仏様への最大の敬意を示す行為でもあるのです

お焼香におけるそれぞれの回数の意味

お焼香の回数には、単なる「形」だけでなく、「心の準備」の意味もあります。1回目、2回目、3回目と繰り返すことで、次のような心の段階を経るとされています。

  • 1回目:故人や仏様に対する敬意と感謝を示す
  • 2回目:自分自身の心を整え、煩悩を清める
  • 3回目:故人への供養の気持ちを最大限に込める

こうして、回数を重ねるごとに心が落ち着き、故人に対する祈りの気持ちが深まっていくのです。

お焼香は「心の作法」

真言宗のお焼香は、単なる形式ではなく、「心を整える作法」とも言えます。故人を思い、心を静め、煩悩を鎮めることで、故人との精神的なつながりを感じる時間となるでしょう。

また、真言宗では「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という教えを大切にします。これは、生きているこの身体のままで仏の境地に達することを意味します。

お焼香を行う際も、単に手順を踏むのではなく、心を込めて行うことが重要です。3回のお焼香には、真言宗の教えそのものが反映されており、心身を整えることで仏様に近づく一歩となるのです。

真言宗のお焼香の正しい作法

焼香をしている女性
仏教では、供養とは「心の清らかさ」があって初めて成り立つものとされています。お焼香によって心を浄化することは、故人や仏様への最大の敬意を示す行為でもあるのです。

だからこそ正しい方法で行うことが大切です。ここからは真言宗におけるお焼香の手順をご紹介いたしますね。

お焼香の基本手順

真言宗のお焼香は、以下の手順で行います。

  1. 姿勢を正して焼香台の前に進む
  2. ご本尊や故人に一礼する
  3. 香をつまみ、額に軽くいただいてから香炉にくべる(3回繰り返す)
  4. 合掌し、故人への供養を行う
  5. 一礼して席に戻る

※香をつまむ際は、右手の親指・人差し指・中指の3本を使います
※額に軽く香をいただくことで、敬意を示します

座礼と立礼の違い

お焼香には「座礼(座ったまま行う)」と「立礼(立って行う)」の2種類があります。

  • 座礼:法要や家庭での仏壇供養で用いられることが多いです
  • 立礼:葬儀の際に一般的に行われる形です

葬儀の場では立礼が基本ですが、状況や指示に従って柔軟に対応しましょう。

他の宗派とのお焼香回数の違い

宗派によってお焼香の回数は異なります。代表的な宗派と回数の違いを見てみましょう。

  • 真言宗:3回
  • 浄土宗:1回
  • 曹洞宗:1回~2回
  • 天台宗:3回

このように、宗派ごとに回数が違うため、葬儀の際には事前に確認しておくと安心です。

お焼香で気をつけたいマナー

服装や姿勢に注意

葬儀や法要では、喪服を着用し、姿勢を正してお焼香を行いましょう。

ごく稀に喪服を着ていらっしゃらない方もいらっしゃいます。お寺としては快く受け入れさせていただきますが、やはり気持ちは整いづらいもの

周りの方が不快に感じられる場合もございます。その場にあった服装もまた大切だといえるでしょう。

もちろん、香炉に香をくべる際も丁寧に行い、手早く済ませることが大切です。

お焼香の順番や立ち居振る舞い

お焼香は基本的に故人の近親者や遺族が先に行い、一般の参列者はその後に続きます。

順番が来たら、静かに焼香台へ向かいましょう。焦らず落ち着いた所作で行えるよう、心の準備を整えておいてください。


真言宗におけるお焼香の回数は3回であり、そこには「三宝への敬意」や「三毒の清め」など、仏教の深い意味が込められています。

葬儀や法要でお焼香を行う際は、正しい作法と心構えを持ち、故人への供養の気持ちをしっかりと伝えることが大切でございます。

落ち着いた気持ちでお焼香に臨み、故人への感謝と祈りを捧げていきましょう。

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